2018年02月16日
他の脱臼と違う点がある肩鎖関節脱臼
肩鎖関節はあまり関節として認識されたことがないでしょうが、肩甲骨の肩峰という部位と鎖骨の外側の端っこからなる関節です。
鎖骨の真ん中くらいから外側に撫でるように触っていくと、少し盛り上がってすぐへこんでという部位があって、その盛り上がったところが鎖骨の端っこです。
そしてへこんだところが肩鎖関節で、その外側に骨が触れる部分が肩甲骨の肩峰です。
肩を動かした時に肩甲骨も連動して一緒に動着ますが、その肩甲骨が動く際のひとつの支点となっているのが肩鎖関節なのです。
この肩鎖関節が外れてしまうのが肩鎖関節脱臼で、鎖骨が肩峰より上に上がってしまうケースが多くて、その為に盛り上がった鎖骨の端っこが体表上に出っ張って見えます。
ちなみに、この部分を上から押すと、ピアノの鍵盤のようにへこみますがまた盛り上がります。
関節が外れてしまったので肩鎖関節部の痛みは伴いますが、炎症が落ち着くと肩関節には異常がないことが多いので、肩の動きに関してはあまり制限されません。
どのようなことで起こるのかというと、アメリカンフットボールやラグビーなどのスポーツで衝突や転倒時や、柔道などで投げられて肩から落ちた時などです。
つまり典型的な原因は、肩を直接強打したことです。
このような原因で脱臼したからと言って、大急ぎで整復しないといけないかといえば、一概にそうとも言えないです。
その理由は先にも触れましたが、上に外れた鎖骨を上から押さえ込んでもまた上がってしまうからで、整復状態の保持が非常に難しいのです。
その為、整復状態をできるだけ維持しようとすると、大切になることは肩甲骨から腕までを少し持ち上げた状態をキープすることです。
その為には、装具やきちんと長さを調節した三角巾などを使用する必要があるので、専門家による治療を受ける必要があります。
肩鎖関節脱臼を治療しないでそのまま放置していると、どのようになってしまうのでしょうか?
例えば、肘や肩関節の脱臼の場合には、脱臼したままでは痛すぎて全く動かせないですし、周辺の神経などにも悪影響を与えて大変な状態になります。
肩鎖関節脱臼も脱臼という名前が付いているので同じかというと、他の脱臼とはちょっと異なるのです。
脱臼した直後は他の脱臼と同様に痛いのですが、徐々に痛みがひいてくると脱臼した状態のままでも肩を痛みなく動かせることがあるのです。
その為、そのまま放置していると、どのような症状が残ってしまうことがあるのかを知っておく必要があります。
脱臼の程度により肩を動かす時に肩鎖関節部分で鎖骨の先端が不安定に動いて痛みが起こることがありますし、肩甲骨の動きの異常が出て痛みの原因になることもあります。
また、筋肉の付着部の鎖骨先端や肩峰の安定性が損なわれるので、肩の筋力が落ちることもあります。
それから、先にも触れましたが脱臼した鎖骨の先端が飛び出してしまうので、美容的な問題が発生してしまうこともあるのです。
このようなことを回避するためにも、適切な治療を行うことが大事です。
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